2015年10月7日水曜日

「わかりやすい板書」にするコツ

私は昔から字が下手で、歴史を教え始めたころはお世辞にもきれいな板書とは言えませんでした。今でも板書がごちゃごちゃして、我ながら見にくい板書だなあ、とは思っています。

しかし、「見やすい板書」と「わかりやすい板書」とではちょっとニュアンスが違います。私が心がけているのは「見やすい板書」というよりも「わかりやすい板書」なのです。




どういう意味かといいますと、黒板に書く事項の時間軸を「A」の左上から「B」の右下へと設定するのです。Aの位置に書くことが一番古く、Bの位置に書くことが一番新しくなるように書くのです。そして、右に行くほど新しく、下に行くほど新しくなります。そのルールを黒板上で徹底するのです。

私の授業は板書をした上でオレンジ色で考え方や略図を追加して書くのですが、その場合も上のルールを徹底します。もし、黒板にスペースがなく、ごみごみしてしまっても、時間軸で新しい事項をメモる場合は右か下に強引に書きます。左下のスペースが空いていても、そこにメモを書くことはあまりありません。ここに書くと時間軸が混乱してしまうからです。逆に過去のこと、一回教えたことについてはAの付近に書きます。

そうすると、おのずと写真のAの付近とBの付近にコメントがたまってしまうことになりますが、そうした方が教わる方の頭に時間軸ができやすくなります。板書はゴミゴミしてしまい、見やすくはありませんが、わかりやすい板書となるはずです。

「左上から右下へ」「ゴミゴミしてもそのルールは崩さない」ということを実践してみてはいかがでしょうか。経験の浅い先生はその関係がやや甘い傾向にあるようです。

2015年10月4日日曜日

何回で授業をするのか

何回で授業をするのか、ということは私が授業をするまえに行うもっとも大切な準備です。

たとえば私のメインコンテンツである世界史、日本史では200回の授業で完結します。

このときに大切なのは、まず自分で200回なら200回、と回数をまず決めるということです。前から1回、2回…と割り振りながら200回に到達するのではなく、まず200回と設定し、教科書の内容を200分割するのです。教育課程の都合で100回しか授業ができない場合は、100回と決めてから教科書の内容を100分割します。

これは当たり前のようですが、実際に現場にいると、このような考え方をしている先生は多くはありません。

よくあるのがプリントNo1、No2…と教科書の前からプリントを作り、「プリントNo167」とか半端な数字で最後の内容を迎えるパターンですが、これはもったいないことです。授業は100とか、200とか、少なくとも150とかのキリのいい回数で設定し、プリントもキリのいい枚数にすべきです。

どうしてでしょうか?それは歴史の授業が時間軸を扱い、しかも膨大な量を扱うからです。まず、生徒に「この授業は100回完結です」「200回完結です」と提示をし、50回目の話のときに「これで、半分の分量をこなしました」「4分の1に到達しました」のように到達度を示していくことで、生徒に安心感が生まれます。これが大きいのです。

いわば、年号のほかにもう一つ「時間軸」を持つことができるのです。「この話は大体前半4分の1の話だな」とか、「もうかなり終盤に差し掛かったあたりだな」とか、そうしたざっくりとした感覚を生徒が共有するためにも、キリのいい完結回数を設定することは私の授業のもっとも大切な準備となっているのです。

盛り上がる地図の描き方

前回、「きれいな地図の描き方」について説明しましたが、今回は「盛り上がる地図の描き方」を紹介しましょう。

?!盛り上がる地図の描き方…とは何のこと?とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、

その方法は、「授業の中でじゃんけん大会をして、負けた生徒(勝った生徒)に白地図を渡して、黒板に地図を描いてもらう」ということです。

じゃんけん大会は間違いなく盛り上がりますので、単調な授業に変化を与えることができますし、先生が前で地図を描くよりも生徒の目線は描いている地図に集中します。時にはゆがんだ地図になってしまいますが、そこは修正しながら「イベリア半島はこういう形だね」とか、「ここにはクリミア半島があるよね」とか言いながらやると生徒の地図理解も進むようです。実際にはプロジェクターで写し書きをするよりもこちらの方法をとることが多いかも・・・


なかなか上手です!
 
生徒の地図をもとに授業を展開します
 

きれいな地図の描き方

よく「世界史20話」などのサイトで尋ねられることは「どうしたらあんなにきれいな地図が描けるのですか?」ということです。特に世界史、地理などの社会科科目では正確な地図が求められる場合が多いので、きれいな地図を描くと生徒の理解もすすみます。

企業秘密、というわけではないのですが、公開すると「なあんだ」というぐらい簡単で、恐縮なのですが・・・

それは、

「プロジェクターで白地図を投影し、チョークで輪郭をなぞってプロジェクターをOFFにする」というだけです。

世界史20話プロジェクトから。

えっ?それだけ、というかもしれませんが、初めの授業などでさらっときれいな地図を描いて、その上に矢印を描くような授業を展開すると、生徒の授業をうける態度が変わります。ぜひお試しください!