私は昔から字が下手で、歴史を教え始めたころはお世辞にもきれいな板書とは言えませんでした。今でも板書がごちゃごちゃして、我ながら見にくい板書だなあ、とは思っています。
しかし、「見やすい板書」と「わかりやすい板書」とではちょっとニュアンスが違います。私が心がけているのは「見やすい板書」というよりも「わかりやすい板書」なのです。
どういう意味かといいますと、黒板に書く事項の時間軸を「A」の左上から「B」の右下へと設定するのです。Aの位置に書くことが一番古く、Bの位置に書くことが一番新しくなるように書くのです。そして、右に行くほど新しく、下に行くほど新しくなります。そのルールを黒板上で徹底するのです。
私の授業は板書をした上でオレンジ色で考え方や略図を追加して書くのですが、その場合も上のルールを徹底します。もし、黒板にスペースがなく、ごみごみしてしまっても、時間軸で新しい事項をメモる場合は右か下に強引に書きます。左下のスペースが空いていても、そこにメモを書くことはあまりありません。ここに書くと時間軸が混乱してしまうからです。逆に過去のこと、一回教えたことについてはAの付近に書きます。
そうすると、おのずと写真のAの付近とBの付近にコメントがたまってしまうことになりますが、そうした方が教わる方の頭に時間軸ができやすくなります。板書はゴミゴミしてしまい、見やすくはありませんが、わかりやすい板書となるはずです。
「左上から右下へ」「ゴミゴミしてもそのルールは崩さない」ということを実践してみてはいかがでしょうか。経験の浅い先生はその関係がやや甘い傾向にあるようです。

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